もともとナイアンティック計画で使われていたスキャナーには、陣営の区別はありませんでした。漏洩したアプリが改造された際に、エンライテンドへの勧誘メッセージが追加されており、これによってイングレスに2つの陣営が生まれました。(この勧誘メッセージは、現在のスキャナーで「設定」→「Ingressエージェント・チュートリアル」を再開すると、陣営に関わらず聞くことができます。)

エンライテンドの勧誘メッセージは、XMの影響を積極的に受け入れ、それを通じて語りかけてくる謎の知性体「シェイパー」の恩恵を受け、人類を進化へ導こうという主張を持つものでした。

一方のレジスタンス…上記の経緯から、もともとスキャナーに入っていた方ということになりますが…は、科学的な見地からXMの危険性を重視し、より安全な利用法を模索して、技術的にXMを活用していこうと考える意見が集まっていました。

つまり、どちらも「よりよい未来のためにXMを利用する」という点では、一致しているのです。異なっているのはその利用の仕方でした。エンライテンドは、人類そのものを進化させることで。レジスタンスは、人類を取り巻く技術を進化させることで。

この意見の相違には、人間のXMに対する反応が2種類に分けられる事も関係していると考えられています。

一定量のXMを浴びることで創造性を発揮し、活動が活発になる人がいる一方で、XMに強い拒否反応を示し、錯乱・凶暴化といったネガティブな行動を取る人もいた…という実験データがありました。必然的に前者はエンライテンド、後者はレジスタンスの思想に寄っていくことになりますね。

もちろん、人々の考えはこの2つに限られたわけではなく、どちらの陣営にも細かい部分で様々な意見があります。しかしスキャナー上ではどちらかを選ぶ以外に選択肢はありませんので、限りなく中立に近い思想であっても、スキャナーを扱うためには、いずれかの陣営に所属することになるのです。

スキャナーで作り出すコントロール・フィールド(CF)は、フィールド内にいる人間の精神に影響を与える効果があるとされています。つまり、エンライテンドの緑色のフィールド内ではエンライテンドの思想が、レジスタンスの青色のフィールド内ではレジスタンスの思想が強く影響すると考えられているのです。