現在では「イングレス(Ingress)」と呼ばれ、スマートフォン用の位置情報ゲームとして知られているアプリのことです。

もともとはナイアンティック計画XM研究調査用ツールとして開発したもので、実績メダルのようなゲーム要素はまったくないものでした。ところがプロジェクト中にこのアプリをインストールしたスマートフォンが漏洩する事件があり、スマートフォンは回収されましたが、アプリは何者かによって改造が加えられ、GoogleのPlayストアに公開されてしまったのです。そのため「イングレス」はゲームだと誤解され、広く出回ってしまったのでした。

NIAはもちろんこの事態を重く見ていましたが、すでに多くの人の目に晒されているものを隠蔽することは難しく、逆に疑念の目を向けられれば、国家機密が漏れる恐れもありました。そこであえてこのアプリを無理やり削除することはせず、すでに漏洩した一部の情報を含め「すべてゲームのための演出である」と偽り通すことにしたのです。