<aside> ℹ️ このページはLycaeum Wrap-Upに掲載されていた同タイトルの記事を再編集したものです。
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<aside> 💬 (2019年12月 2日投稿より) テッセレーション・第4ラウンドの手がかりとして、久しぶりに「オブシディウス」の名が登場しました。2016年上半期のイングレス・ストーリーで、物語の中心となった人物です。今回はこの人物と、その物語に焦点をあててみたいと思います。
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オブシディウス第8/9節
アバドン・アノマリー後の2016年に入って程なく、ローランド・ジャービスから初めてその名が明かされました。それを皮切りに、世界中のポータルから物語の断片(メディア)が発見されていきます。一連の物語は2016年のオブシディアン・アノマリー、イージスノヴァ・アノマリーを読み解く、「もうひとつのイングレス・ストーリー」を語っていたのでした。
Explorations of Obsidius - PROJECT LYCAEUM
参考: オブシディウスの探検(Explorations of Obsidius):Project Lycaeum (Wayback Machineアーカイブ)
アノマリーのタイトルにもなった「オブシディアン」は、日本語では黒曜石と呼ばれるガラスに似た黒色の鉱物です。古代ローマの博物学者、大プリニウスの「博物誌」によれば、その発見者は「オブシウス」という人物であったと言われています。
ストーリー内ではハンク・ジョンソンが若かりし頃、調査中にその名に出会ったことがあると言います。しかしその名前は後世に「修正」されたものであるとも述べています。

大プリニウス
オブシディウスの物語は大きく2つのパートに分かれます。ひとつ目は、各地で様々な啓示を受けながら、オブシディアン・シールドやマグナスの謎を解き明かす旅を続ける、オブシディウスの手記と書簡。ふたつ目は、巫女シビュラの導きによって時空を超え、現代の様々な出来事を目撃した体験が綴られています。
...正直なところ、ヤマもなければオチもない、決して面白い物語とは言えません。この冒険譚はただ、はるか昔に起きた出来事が、現代の私たちへと繋がっていることを示すのみ。

オブシディウス第10/11節

オブシディウスは、古代ローマ時代に時の皇帝ティトゥスに仕える兵士でした。生まれながらに様々な才能を持ち、また異文化への造詣があり、それは兵士としての彼の実績にも生かされていました。
ある時、オブシディウスはドイツ戦線へと派遣され、そこでひとりの司祭に出会います。司祭はオブシディウスに北アフリカへ向かい、オラクルに会うよう告げました。帰国後、皇帝ティトゥスにこのことを報告すると、ティトゥスはその言葉に従い、オラクルを探して「マグナス」に接触するようにと命じました。
オブシディウスにはシュファクスというお供が付けられました。シュファクスは並外れた言語能力を持ち、旅の通訳としてオブシディウスの信頼を得ていました。オラクルを探す旅路で、彼らは巫女シビュラに出会い、彼女もこの旅に同行することとなりました。こうしてオブシディウスとシュファクス、巫女シビュラの3人による「マグナス」を探す旅が始まりました。
一行はポンペイで大プリニウスと接見しました。大プリニウスの指示に従いベスビオ火山へ向かうと、その山中でシビュラは「アンサイル」と「アイギス」という2つの盾を探せという神託を受けました。
旅の道中、オブシディウスは黒曜石で作られた鏃(やじり)を発見します。彼の名にちなんでオブシディアンと名付けられたその石には、不思議な図形が描かれていました。シビュラはこの鏃が、「イージス・ノヴァ」に至る大崩壊をもたらすと予言します。
旅の中で、同行していた案内人シュファクスはどうやらただの通訳ではなく、その正体は暗殺者なのではないかとオブシディウスは疑惑を持つようになりました。後にシュファクスは、オブシディウスが発見した鏃を盗んで逃亡してしまいます。

ハンクが投稿した鏃の画像。出典は不明
やがて、オブシディウスたちが探し求めていた「マグナス」とは大プリニウスを中心とする混成集団であり、オブシディウスが発見した鏃──オブシディアン・シールドを活性化することで、シェイパーやナジーアと、この世界との間に障壁を構築しようとしていたらしいことがわかります。当然それは、古来からマグナスの伝統を受け継いできた13マグナスとアンチマグナスの双方を敵に回す行為で、周囲からは不吉なものと忌避されました。

ポルティチから見たヴェスヴィオ山の噴火、ジョセフ・ライト作(1774年頃~1776年)
そしてついに、恐れていた災厄が訪れます。紀元79年にベスビオ火山が噴火し、その被害で中心人物であった大プリニウスが死亡。シビュラはこの災害をベスビアン・マグナスによるシールド活性化が原因であると言い、その影響で世界中の「リーミナ(現代のポータルに相当)」が沈黙したと告げました。
シビュラは姿を消し、ベスビアン・マグナス、そして鏃がその後どうなったのかはわからなくなります。
ギリシャのサントリーニ島で、オブシディウスがシビュラと共に海の生き物に姿を変え、海中を泳ぎ回る幻影を見たという記録が発見され、第2の物語が始まります。この体験が先述の旅の途中のことだったのか、ベスビアン・マグナス崩壊後のことだったのかは定かではありません。
オブシディウスはシビュラの力によって、さまざまな時代や場所を巡る不思議な旅をします。それらはどうやら現代のイングレスにまつわる場面であったようです。インドの宮殿で瞑想するヤーハンの姿、エンライテンド集落にいるアコライトとクルー、サン・サバ鉱山で採掘をする男たち、後に「テクトゥルフ」と名付けられる事になる技術が隠されていた第二次大戦中のXM研究施設と潜水艦、東京で発生したイージス・ノヴァ・アノマリー、そして森の中でポータルを生み出そうとしているニューウェーブ・エージェントたち。
この旅の間にもシュファクスはオブシディウスたちを追いかけてきていましたが、彼の目的はわからないままでした。